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『鏡の国のお姫様 ~All Around the World~』

解説2


<あらすじ>

騎兵少尉ジュリアン・ガンディーニは、初陣の緊張と恐怖からゼストファラン渓谷の戦いにおいて敵前逃亡の罪を犯す。
終戦後の軍事法廷で、ジュリアンは極刑は免れない状況に陥った。しかしジュリアンの父親は、ガンディーニ伯爵家累代の不逮捕特権を手放す事によって、息子を救う事を決断する。
この決断は、伯爵家の財政を悪化させ、無罪放免となったジュリアンも軍隊内で疎外されてしまう。
その状況に耐えきれなくなりジュリアンは、高収入と引き替えにとある貴人の警護任務に就く。
彼が赴いた任地は、帝国皇太子領の中を流れるアンドレアス河に浮かぶ高い壁に囲まれたショイフツェリ島だった。
数万人が暮らせる程の面積を誇るこの島には、大きな屋敷と僅かな使用人を従えた銀髪の美少女エクォルト・フラヴィウス・アイネス・プルクハルトがいた………。

<解説>

あらすじの方でも詳細はぼかしているので、解説で細かいネタ(エクォルトの名前は、ドイツ参謀本部総長の名前から取ったとか、ジュリアンの家名はデザイナーの名前とか、ホワイト中佐の名前はアストン・マーティンから取ったとか、島と河の名前はカレル・チャペックの『山椒魚戦争』から取ったとか、そういう感じ)は、説明しきれない上、大筋も明かすとただでさえ少ない面白みが減るので大きな視点の話しか書けないのですが、
本作品は、後書きにも書きましたが、
ラストエンペラーの家庭教師R・F・ジョンストンの『紫禁城の黄昏』を読んでいた時に、
西太后が変法運動に敗れた光緒帝を幽閉し、その住居の周囲を壁で囲み風光明媚な庭の風景さえ奪ったという一節を知った時の驚きが創作の端緒となっています。
この他にも、ローマ皇帝ティトゥスの皇太子時代のエピソード等も作品を書く上で参考にしました。
ここら辺に、この話のテーマが内包されています。
その内容は端的に言えば(非常に大時代的で錯誤甚だしい思想ですが)

『組織は宿命として個人を圧殺するのか?』

と言う疑問に結実します。
何処かの哲学者が生涯かけて研究してそうな意外に深いテーマに根ざしている割には、
結構お気楽に話が進んでいくのは、作者の思考の浅はかさと生来の楽観主義が影響しているのだと思います。
こんな意外にも深いテーマの他には、キャラクター萌の強調が目的でした。
と言うのも以前、ある人からある作品はキャラの萌(魅力と言っても良い)が弱いと指摘を受けたので、表面上は聞き流しても、凄くその辺が気になってしまったので強化を目指してみました。
それが成功したか失敗したかは、書いた当人にとっては甚だ不明ですが、
少なくとも個人としてはこの話の登場人物たちは、もう一度会いたいと感じる禍々しいまでの魅力を持っていると思っています。

さてそんな戯れ言はさておき、今回も僕が思っていた以上に素晴らしい表紙&挿絵を描いて頂いた桜庭貴歌さんには、感謝と賞賛あるのみです。
作品の終盤でジュリアン君が、あんな服を着る事になったのは、登場人物のイメージラフを見せて貰った事に起因しています。そのお陰で作品世界に広がり(ページが増えたとも言う)が出たのは、想定外の収穫でした。

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当面の参加予定

現在、申込済のイベントです。

・コミティア96(2011/5/5(木) 東京ビッグサイト)

・第十二回 文学フリマ(2011/6/12(日) 大田区産業プラザPiO)

両方とも、新刊の『鏡の国のお姫様』を頒布予定です。

鏡姫表紙
ジャンル:小説
頒布価格:400円
ページ数:300頁
サイズ:文庫サイズ

配置場所などの詳細は、当落が判明してからお知らせの予定です。

ブログ開設です。

小説系同人サークル『副墨亭』のサークル主です。
以前から、参加イベント情報、頒布作品の概要などを伝える必要性を感じていた為、
今回のブログ開設と相成りました。

普通にどマイナーな弱小サークルですが、心に留め置いて頂ければ幸いです。
プロフィール

副墨亭主人

Author:副墨亭主人
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