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『あの夏、一番静かな空』

あの夏

<あらすじ>
堅実な生活を夢見る高校生『芹沢 中祐』は、超古代文明の遺産である超重量子決戦甲冑『ジガント・ラッソ』の起動モジュール『ラーテ』と契約し、地方都市『万城目市』に侵攻しようとした『第六帝国』の最初の野望を挫く。
しかし世界征服という飽くなき野望を抱く第六帝国は、芹沢中祐の間近にも侵略の魔の手を伸ばしていた・・・・・・・。

<解説>
『実相寺アングルッッッ!』
という訳で、本作は作者が抱いている特撮とSFへの偏った愛を中心に描いた物で、その証拠にサブタイトルが特撮系のサブタイの改題で、登場人物の名前も特撮映画から持ってきております(タイトルは邦画からだけど)
内容は、友人との雑談で生まれたといういいかげんな経緯を経ていたので、ディテールは少しこだわりました。
例えば情景は、以前尾道方面に出張した時、目の前に山と海と水路がある風景、連絡船から出てくる高校生達の姿が魅力的に過ぎたので、その世界の中でせせこましく巨大ロボットが動くと楽しいだろうなぁ、と言う妄想から想像し、設定を作りました。
地方都市での地球防衛という内容は良くある物なので、その点は侵略という重大事件にも関わらず普段の生活の延長線上でしか物事を見ない一般市民からの視点を織り交ぜて、出来る限りコミカルにしたつもりです。

その他のこだわりのガジェットとしては、『統計史学』があります。これは『ファウンデーション』のハリ・セルダン先生の「心理歴史学」の模倣だったりします。数学的に未来が予想できるのが「心理歴史学」ならば、過去も予想できるだろうと言う安直な発想から作りました(アシモフの「心理歴史学」は、古典物理学に立脚していて量子力学的な視点が足りないのではないかという疑念もあったので、『統計』の文字が入っていたりもします)

超重量子決戦甲冑に関しては、素直にロボット云々と付けなかったのは契約者が着る様な状態になって初めて動くと言う意味合いを込めて『甲冑』が入っています。まあその割には、勝手に動き回ってる気もする連中ですが。
因みに妄想の中では、超重量子決戦甲冑は、基本的にMHでした(今はGTMと言うらしいですね。時代の流れを感じます<笑) そして『ジガント・ラッソ』はテロル・ミラージュがイメージだったりします。

第六帝国のメカ達は、基本的に異文明の遺産という面を強く出したいと思ったので、外見が変で、意外に動かしやすく、そして制御しにくい設定にしました。時代も発想も違うのにアルゴリズムが同じというのは考えにくい物の、素数とか、ピタゴラスの定理みたいな普遍的な発想は共通であろうという想像から、表示が特殊になっています。操縦云々に関しては、人間の姿形は前氷河期でも変わっていない(ソースはドラえもん。七万年前にはギガゾンビががが)設定なので、進んだ文明ならば当然ユビキタスなインターフェースになるだろうと言うスタートレックも顔負けの安易極まりない発想が元になっています。
ただ所詮は古代文明の遺産なので、基本的操作は不明というのが根底にあり、そこがラストの「フォルトレーザ」戦の顛末に繋がっている訳です。

そう言う訳で趣味に走りまくった作品なので、書いている時はネタを仕込む意味でも非常に楽しかったです(爆)
今回もF本さんの魅力的な表紙&挿絵が作品の価値を幾層倍に高めたと思っております。ラーテと琴羽ちゃんのデザインには感謝感激雨あられでございます。




・・・・しかし『実相寺アングル!』は、『宇宙家族カールビンソン』のオマージュとかマニアックすぎて誰も気付かないんだろうなぁ~(ジッソー君とかアレなネタだよな)
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『はいくな人々』

はいく表紙

<あらすじ>
至極普通の高校生『今井 浩介』の所属する2年B組一同は、ある出来事がきっかけで総理大臣の孫娘『豊里 さつき』の怒りを買い、クラス廃止の憂き目に遭遇する(クラス廃止とは、学籍と取得単位を抹消される事で、簡単に言うとクラス一同の強制退学である)
クラス全員から人民裁判にかけられた上、日々責められ事に疲れた今井浩介は、豊里さつきの祖母と交渉し、クラス一同で演劇を行い豊里さつきを満足させればクラス廃止を取り消すと約束する事に成功する。
しかしクラスの中心メンバーとの連絡不備により、廃クラス取り消しの条件面などが上手く伝わっておらず、更にはクラス全員が、廃クラス取り消しの喜びから暴走を始め、演劇もあらぬ方向に進み始める……。

<解説>
この内容に関しては、結構前に作者よりも遙かに素晴らしい論評を書いて頂いたので、そちらを読んだ方が為になると思いますので、

参考になる論評

そちら↑をご参照下さい。
何と言うか、作者も気付かない事を書いて頂けるとは、論評できる人って凄いな~と思った次第です。
(作者は、思った事をコンパクトかつ的確にまとめる才能に欠けているので<爆)

なので、以下は簡単な思い出話的な物となります。
この話は、『三谷幸喜的な舞台の話を書きたい喃』と錯誤的に思った事が発端となっています。三谷幸喜さんの作品で劇中劇の内容がその場の勢いと大人の事情でドンドン改変されていく物と言えば『ラヂオの時間』と『Show must go on~幕を下ろすな』(山田五郎さんが出てた奴が好き)ですが、そんな感じのドタバタ喜劇が描ければ良いなと夢想して設定を考えました。

作品の雰囲気としては、その昔、銭鐘書先生の書かれた『囲城(岩波版タイトル:結婚狂詩曲)』を読んだ時のインパクトが忘れられなかったので、それが出せると良いな~という安易な気持で書いております。
後は、学生時代に舞台に立った時の思い出(発声練習とかコンテストの採点関係)と井上ひさしさんの演劇を題材にした短編小説(上手下手の騒動は此処で学んだ<笑)で具体的なエピソードを構築しました。

人民裁判の論理と情景については、かの有名な『ワイルド・スワン』(ハードカバーを寝転がりながら読んでた時、顔に落として痛い目を見た)と『洪思翊中将の処刑』(山本七平先生の奴。………しかしラノベとは思えない参考文献の羅列である)を思い出しながら書いていました。

その結果として出来上がった物を読み直してみると、「何故、自分はこんな発想に至ってしまったのだろうか?」と驚く所が多いのでなかなか興味深いです。
おおむね書きたい事は書いたのですが、一つだけ心残りがあり、それは「はいく」の意味を「廃クラス」だけしか説明していない事でした(クラス全員の行動のクオリティの高さ、即ち「ハイクオリティ」の説明を校了時のドタバタでし忘れた………痛恨事であるorz)
ここら辺りは、今後どうにかしたいと思っている今日この頃です。

本作は、F本さんの魅力的で素晴らしい表紙絵と挿絵が付いているのが自慢です。
これらのお陰で、作品の魅力が増したんで、F本さんの住んでいる方向には足を向けて眠れないです罠(笑)

『歌姫奇譚』&『惨月記』

歌姫

『歌姫奇譚』
<あらすじ>
ドルバー公国の酒場「三本マスト亭」にて不思議な男が語り始めた物語。それはその男が過去に出会ったある儀式とそれにまつわる精霊との関わりだった。
話が終わると男は、酒場を悄然として去って行った。

<解説>
その昔、名作の登場人物の性別を入れ替えたり、舞台を現代版に置き換えると言う話をweb上で読んだ事がありました。この企図自体には面白みを感じたのですが、内容が酷かった。
特に「耳なし芳一」の改題が酷く、美少女が筆プレイを受けるだけという想像力と言う名の知性の働きを微塵も感じさせない内容だったので、勝手な使命感からどうにか出来ないか考え、原作を換骨奪胎したのが本作になります。
内容的には悪魔の契約を踏襲しているので、その点が意味不明で分かりやすく書けるかがポイントだったのですが、読んだ友人達に聞いてみると何となく把握していたらしいので、基本はクリア出来ていたと思います。
後、表紙のデザインが結構気に入ってます。メソポタミアのくさび形文字は趣があって良いですね。

惨月記

『惨月記』
<あらすじ>
若きエリートの猫田晋は、ある日突然、発狂し行方不明になった。その数年後、富士の樹海で演習を行う自衛隊一個小隊は、謎の存在と遭遇するという事件に巻き込まれる………。

<解説>
唐代伝奇に人虎伝という一章があり、それを題材にして編まれたのが中島敦先生の『山月記』ですが、その李徴を猫耳メイドに変換したのは我ながら暴挙としか言いようがありません。
それはそれとして李徴の心情と、猫田晋の心情を上手い具合にリンクさせる事が出来たと思えるのは、やはり屁理屈と膏薬は云々の影響でしょう。
まあ書いていて思ったのは、昔の作家の構成能力は偉大だなぁ、と言う感慨と詳細をぼかす事の是非でした。
プラグマティックな思考を旨とする僕としては、中島敦先生の李徴の詩に足りない部分があると言うのは消化不良極まりなかったので、本編では詳細を記してみました。
その辺りは、個人の好き好きなのだなぁ、と書き終わった後に思いました(謎




しかしこの時は、カジキさんに苦労をかけてしまったと思う事しきりです。
相変わらずの無茶ぶりは、今後控えていきたいと思う所存な今日この頃です。

『そよ風よ、起これ!』

そよ風カバー

<あらすじ>
・「超近接遠距離恋愛」:
自己中心的な性格だが何処か憎めない仲野葉月。
そのルームメートである真面目な優等生荻久保倫子は、下らない事で狂奔する仲野葉月にいつも振り回されていた。
そんなある日、荻久保倫子は仲野葉月が近所のパン屋の若旦那と恋仲になったと知る。保護者的気分の荻久保倫子は、仲野葉月の行く末を危ぶみ、パン屋の若旦那に人品を見定めようとする。

・「そよ風よ、起これ!」:
クーラーの「強」よりも弱いそよ風を起こすという微妙な超能力を持つ北野亮介は、不注意からその能力の存在をクラスメートの大島祥子に知られてしまう。
微妙な超能力を世間に公開して、耳目を集めたくなかった北野亮介は、大島祥子の脅迫に屈し彼女の恋の橋渡し役をする羽目になる。
しかしその片想いの相手には、すでに恋人が居た。

<解説>
大変個人的な事で恐縮ですが、結構疎遠にしている実姉が現実世界に居たりします。
その姉が、少女マンガが好きで僕もそれを読んでいた為、谷川史子先生の作品に小さい頃から親しんでおりました。
(まあ最高峰は、美内すずえ先生と山岸涼子先生だと思います。ガラカメはストーリーテリングのバイブルです!www)
読んだ事のある人は分かると思いますが、谷川先生の作品には、独特のマッタリ感と繊細な空気が世界にたゆとうているので、そんな情緒に溢れるお話が書きたいなぁー、と思っていたのがこの作品達を書いた端緒でした。
しかし実際は、筒井康隆御大の「モダンシュニッツラー」を読んだ時、連作のガジェットの使い方が面白いと感じ、この手法を自分でもやってみたいと思って、話の軸を組み立てていたという方が正確だったりします。
(この時期の作品は基本的に、印刷代とのせめぎ合いなので、本来全六編になる筈だった連作短編が、二つだけになるという暴挙をかましていたりする。嗚呼恨むべきは、薄き事紙の如しの我が懐である。私は世に問いたい。責任者出てこい!、と)
まあそんな訳なので、筒井御大の書き方をイメージして書いた一節

『いや、まさか、しかし、それって、もしかして、だが、そんな事が、手に力が、ある訳は、入って、でも可能性は、メロンパンが、否定、砕けて床に、しきれない、散らばっている、でも、動揺、葉月は、この私が、嘘をつかない。』

これ↑が感想を貰った人の中には、面白いという評価を頂いたりして、目論見通りと少し嬉しく思った次第です。
「遠距離」に関しては、葉月と倫子の関係を谷川先生風になる様にイメージして創りました。
まあ短編なんで、最後の展開をひっくり返す筋が見えた瞬間に出来上がったと言っても過言ではない話でした。
後、この話の名字は基本的に中央線の駅名から採ったので、吉祥寺さんを出そうかと思った物ですwwww

「そよ風」に関しては、まさに少女マンガの王道、告白物で一本書きたいと思って書きました。
しょぼい超能力が、最後の最後で役に立つと言う話ですが、結果は玉砕という物悲しい結末なんで、何とも言えない内容だなぁ、と思いつつも主人公君がヒロインに好意を持つ辺りで幕引きなので未来は明るいと思わないでもありません(上記の本来の展開だと、この後二人は付き合う事になってました。モブとして他の話に彼らが登場するんですわ)
紙飛行機を飛ばす程度にしか役に立たない超能力というのは、作用反作用の法則から言っても妥当なライン(使用者本人にダメージが来ないと言う意味で)かと思います。
途中で出てくる研究者の人の俗ッ気たっぷりな所と研究機関のマッタリ具合は、某地の某研究所の某人を実地検分した上で、書いております。
後、この話に出てくる人々の名字は京王線から採ってあります。

この本も他の本と同様に非常に魅力的な表紙が特徴です。特に大島祥子さんは(ツインテール的な意味も含めて)最高と思う次第です。
また魅力的な(ツインテールの)キャラを創って、貴歌さんに描いて貰う事が最近のささやかな夢だったりもします。









・・・・・・しかし今読み返してみたら、ナチュラルに隙あれば地の文に軍事用語が出てくるんだな。この頃のアグレッシブさは忘れちゃいけないな(違

『The shock of the Fating!』

新版カバー

旧版カバー


<あらすじ>
婚約者から逃れる為に、竜討伐に参加したニコロ・ハンバー軍曹は、不運にも討伐隊で只一人の生き残りとなった。その上、竜の頓死が原因で英雄とされてしまう。
爵位と領地を与えられ英雄となったニコロは、婚約者から逃げられなくなり、日々絶望する。更に身辺にも婚約者の僕としてエリスというメイドが配属され、自由は日一日毎に減衰していった。
そんなある日、ニコロの国のお姫様を竜が誘拐するという事件が発生する。しかし精力絶大で絶対無敵の竜に敢えて挑もうという勇者はいなかった。だがニコロは合法的に婚約者から逃げられるという事実に気付き喜び勇んでこの任務に志願するのだった。
だが目立たず行動する筈だったニコロは、途上でクラーケンを倒し名声が(無駄に)高くなってしまう。更に(監視役として)彼に付き従うメイドのエリスと共に竜の住む山に向かうが、その途中で盗賊団を全滅させ、至上の英雄としての名声は不動の物となるのだった。

竜の住む山にたどり着いたニコロ達だったが、竜は酷く物分かりが良く、お姫様は呆気なく解放される。
そして帰途、ニコロは隣国が祖国に戦略的奇襲をかけようとしているのに気付き、ここが最後の死に場所(婚約者からの)と思い極め突撃を敢行する。
だがその決死の特攻は、敵陣に突入する前に、エリスの竜を使った攻撃で全滅してしまう。敵軍を全滅させた至上の英雄としてニコロは(エリスに縛り上げられた状態で)凱旋するのだった。

<解説>
毒舌メイドは、仇討ちの夢を見るのか、と言うテーマは本当に後付けで思いつきました。
まあそれはそれとして、自分の意図した方向とは全く違う方向に現実が動くと言う楽しさを具現化するために本作は制作されました。
ニコロが自殺を図っても全く遂げられない所は、本田静一先生の逸話を元にしています。後は山本七平氏の内務班での経験を元に軍隊生活を組み立てました(経済的な解説は古代ローマの軍団兵を元にしてあります)

本編は、最初の竜と軍団の闘いを熱に浮かされたかのように四時間位で書き上げてしまって、
「ここで完結で良いよな」とか思ってしばらく塩漬けにしておいたんですが、長編原稿の為に尾鰭を付ける事になって『ニコロどんどん不幸になれ』の戦略方針で話が進んでいきました。
その為に彼の境遇は、良い方向にしようと思えば思う程悪くなると言う負のループになって行くという書いている方にとっては非常に楽しい展開となっていました。

しかしこれも印刷費用の関係でページを結構削っているので、面白みが減っていると思ったり思わなかったり。特にお姫様が浚われる原因になったロリコン貴族とか、頭の弱い千里眼の弓兵とか、白兵戦が得意な気の弱い女魔道士とか、楽しい主人公ファミリー達を削ったのは少し残念でした(その手の連中を取り仕切るチートメイドは出たから問題無い)
後、構成に若干の不満が残ってたりもします。冒頭の竜との闘いとか、思い入れが強すぎたために削れんかったorz
アレを削って船出の所から始めればもう少しテンポ良く話が進んだような気がするので、今後構成には気をつけていく所存でございます。

本編も他に漏れず、魅力的な挿絵がついているのですが、特に万能毒舌メイドのエリスは可愛く凛々しく仕上がっていたと思います。
そんな彼女の姿があったからこそ、ニコロ君も精神融合(やり方と指の配置は、バルカン風だったりする。長寿と繁栄を!www)までして彼女の想いに答えたのだと思います。
迂闊にも文学フリマで全部売ってしまったので、一冊も手元に残っていなかったりするんですが、ファンタジー世界は面白いなぁ、と思わせてくれる作品でした。

後、地味にカバーを途中で差し替えたりしたので、絵師のF本さんには迷惑かけたと言う記憶が残っております。あの折は申し訳ございませんでした。でも新旧共に大好きな表紙です(特に旧版の襟を掴んでるエリス様サイコーwww)








・・・・・・・しかしこのタイトル、英文法的に見ると間違いなんだよな~。
(元ネタのLightningと同じ韻を踏んだ言葉と内容を考えて、いい加減な造語を創ってもうた)
でもOasisの「The shock of the lightning」が使えたから良いかwwwww

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